解体費用
解体費用

解体費用
ー Construction costs ー

解体工事の費用

解体工事の費用

解体工事の費用は、建物の大きさや構造、アスベストなどの有害物質の有無など様々な条件によって変わってきます。また、解体業者によっても違いがありますので、複数の業者から見積もりを取り比較検討することをおすすめします。解体工事の費用を比較する際には、見積書の内容をよく確認しましょう。同じ項目でも金額が異なる場合は、業者による見積りの方法や使用する資材・設備の違いが考えられます。また、見積金額に含まれているサービスや費用が他社と比べて充実しているかも重要なポイントです。

解体工事は大切な作業ですので、信頼できる業者を選ぶことが重要です。解体業者の経験や技術力、安全管理体制なども考慮しながら、比較検討してください。お客様のご要望に適したプランと適切な費用を提供できる業者を選ぶことで、スムーズな解体工事を進めることができます。

ここでは、解体工事にかかる費用について詳しく解説します。

解体工事にかかる費用について

解体工事では、解体そのものにかかる費用の他にも、粉塵や瓦礫の飛散を防ぐために養生する費用や廃棄物の処分費用など様々な費用がかかります。解体工事の費用は次の4種類に分類できます。

分類 項目 詳細
仮設工事費用 ・足場設置費用
・仮設水道設置費用
・仮設電源設置費用
・養生シート設置費用
など
解体工事を安心安全に行うために設置するものにかかる費用
建物解体費用 ・木造二階建て住宅の解体
・軽量鉄骨造2階建てアパートの解体
・鉄筋コンクリート造(RC造)マンションの解体
・重量鉄骨造(S造)オフィスビルの解体
・プラント解体
・内装改修工事
など
建物を解体する費用
・屋根材撤去費
・内部解体費
・上屋解体費
・基礎解体費
・廃棄物分別処理、運搬、処分費用
・アスベストなどの特殊廃材の処理、運搬、処分費用
など
付帯工事費用 ・残置物処分費用
・洗濯機やエアコンなどのリサイクル家電の処分費用
・車庫やブロック塀、フェンス、庭石の撤去、樹木の伐採などの外構工事費用
・地中障害物撤去費用
・警備員配置等の人件費
など
仮設工事、建物解体工事以外にかかる工事費用
諸費用 ・現場管理費用
・近隣挨拶費用
・重機回送費
・書類作成費
・届出費
・アスベストなどの調査費用
など
上記以外の費用

解体工事の費用はどのように決まる?

建物の規模と構造

建物の解体工事の費用を算出する際には、「規模」と「構造」が大きな要素となります。一般的に、建物が大きく構造が複雑なほど、解体の際に多くの重機や人手が必要になるため解体費用も高くなります。
構造の違いによる建物解体費用(仮設工事費用・付帯工事費用・諸費用 含まず)の相場は、概ね以下のとおりです。

構造 費用
木造 3~5万円/坪
鉄骨造(S造) 5~7万円/坪
鉄筋コンクリート造(RC造) 6~8万円/坪

構造の種類についてはこちらをご参照ください。

高層の建物や地下室がある場合は、解体する面積が増えることに加え、解体する工程も変わるため割高になります。
さらに、地下室の解体では、埋め戻し作業も必要となります。これは、解体後に生じた空洞部分を土で埋め戻す作業です。通常、購入土や現地で発生した土を使用して埋め戻しますが、その土の調達や運搬、施工にかかる費用も別途考慮する必要があります。したがって、地下室の解体には追加の費用が発生します。

立地条件

建物の立地によって解体費用は大きく異なります。
解体作業は通常、重機を使用して行われますが、住宅密集地など重機が使用できない場所では手作業による解体が必要となります。手作業には時間と労力が多くかかりますので、費用もそれに応じて上乗せされます。また、傾斜地や建物の近くに電線があるなど、使用できる重機の種類が制限される場合も、費用が高くなる可能性があります。

また、解体したい建物が通学路の途中や交通量の多い道路に面している場合などは、警備員を複数配置する必要があります。これは安全確保のための措置ですが、警備員の人件費も別途費用として発生します。

廃棄物の種類や量

解体工事には様々な廃棄物が発生します。
以前は廃棄物の種類に関係なくまとめて処分していましたが、最近では廃棄物の量が増加し、建設リサイクル法により廃棄物の分別と処理が義務付けられました。廃棄物の分別作業による手間が増えたため、廃棄物処理の費用も以前よりも上昇しています。

建設リサイクル法
特定建設資材(コンクリート(プレキャスト板等を含む。)、アスファルト・コンクリート、木材)を用いた建築物等に係る解体工事又はその施工に特定建設資材を使用する新築工事等であって一定規模以上の建設工事(対象建設工事)について、その受注者等に対し、分別解体等及び再資源化等を行うことを義務付けています。なお、分別解体等及び再資源化等の実施義務の対象となる建設工事の規模に関する基準については、1)建築物の解体工事では床面積80m2以上、2)建築物の新築又は増築の工事では床面積500m2以上、3)建築物の修繕・模様替え等の工事では請負代金が1億円以上、4)建築物以外の工作物の解体工事又は新築工事等では請負代金が500万円以上と定められています。
(環境省ホームページより)

解体工事において、廃棄物の量が増えると、その分の運搬や処分にかかる費用も増加します。また、建物に使用されている建材の種類が多い場合、解体時に分別する廃棄物の種類が増え、分別の手間も増えます。そのため、解体工事の費用は増加する傾向にあります。

廃棄物の種類とその処理方法については、次の表をご覧ください。

廃棄物の種類とその処理方法

残置物や外構の撤去

解体工事が開始される際に、家具や家電などが建物内に残っている場合は、一般廃棄物収集運搬許可業者に依頼し、それらの物品を処分します。そのため、撤去費用は別途かかります。また、ブロック塀やフェンス、庭木や庭石などの外構の撤去が必要な場合は、それらの撤去にも費用が発生します。

費用を抑えたい場合には、自分で処分できるものはあらかじめ処分しておくと良いでしょう。ただし、自身での処分や撤去作業は注意が必要です。適切な処分方法や撤去手順について確認し、安全に作業を行うようにしましょう。

諸費用

解体工事費用のうち、仮設工事費用、建物解体工事費用、付帯工事費用 以外のものが諸費用となります。
具体的には、現場管理費、近隣挨拶費用、重機回送費、書類作成・届出費用(建設リサイクル法の届出申請、マニフェスト作成)、アスベストなどの調査費用などがこれにあたります。これらの費用は、解体工事に伴う管理や手続き、法的要件の遵守などに関連して発生します。
このような諸費用は、契約や見積もりの段階で明確化し、予算内に含まれるかどうか解体業者に確認するとよいでしょう。

解体工事の見積もり例

※見積もり例はあくまで一例です。同じ大きさの建物の解体でも、構造、広さ、立地条件、廃棄物の種類や量、残置物の量など、様々な要素によって金額は異なります。

例1)木造2階建て住宅 解体工事の見積書

項目 数量 単位 単価(円) 金額(円)
【1】 仮設工事
 飛散養生費(防炎シート) 142.0 m2 1,200 170,400
 仮設水道設置費(散水費含む) 1.0 30,000
 事前調査費(分析費・書類作成費含) 1.0 50,000
【2】 解体・撤去工事
1  木造2階建て
  内装解体費 90.0 m2 2,200 198,000
  上屋解体費 90.0 m2 5,700 513,000
  基礎撤去費 64.0 m2 2,500 160,000
2  その他外構(手壊し+機械解体併用)
  家電リサイクル 1.0 10,000 10,000
  コンクリート土間撤去費 19.0 m2 2,200 41,800
  残置物撤去費 1.0 35,000
  植栽撤去費 1.0 40,000
【3】 重機回送費 1.0 60,000
【4】 諸経費 1.0 130,000
小 計 1,438,200
値引き ▲ 8,200
合計(税抜) 1,430,000

※上記の見積もり例はあくまで一例です。同じ大きさの建物の解体でも、様々な条件によって金額は異なります。

例2)鉄骨造2階建て専門学校 解体工事の見積書

項目 数量 単位 単価(円) 金額(円)
【1】 直接仮設工事
校舎(鉄骨造2階建て)
 外部足場(防炎・防音シート) 1,263.0 架m2 2,000 2,526,000
 上記仮設材運搬費 1.0 400,000
 アスベスト養生足場(防炎シート) 1.0 800,000
 上記仮設材運搬費 1.0 200,000
【2】 建屋解体工事(運搬~廃材処分費含)
1 校舎(鉄骨造2階建て)
 内部造作材解体費 1371.87 m2 2,800 3,841,236
 上屋解体費 1371.87 m2 5,600 7,682,472
 基礎解体費 965.63 m2 5,000 4,828,150
 電気・設備機器類撤去費 1371.87 m2 250 342,968
2 その他、解体撤去工事
 エアコン撤去費(フロンガス破壊回収費含) 1.0 350,000
 キュービクル撤去費(検査代含) 1.0 100,000
 アスファルト舗装撤去費 542.1 m2 400 216,836
 受水槽・給水ポンプ室撤去費 1.0 150,000
 植栽撤去費 80.0 m3 12,000 960,000
【3】 アスベスト除去工事
 外壁2柱吹付けタイル除去 1.0 2,000,000
【4】 共通仮設費
 重機回送費 1.0 200,000
 散水費(機器損料・運搬費・工事費共) 1.0 100,000
 交通誘導員 60.0 人・日 15,000 900,000
 作業員休憩所・仮設トイレ 1.0 300,000
【5】 スクラップ控除額 1.0 ▲ 2,300,000
直接工事費 計 23,597,662
【6】 諸経費 1.0 2,300,000
工事費 計 25,897,662
値引き ▲ 397,662
合計(税抜) 25,500,000

※上記の見積もり例はあくまで一例です。同じ大きさの建物の解体でも、様々な条件によって金額は異なります。

例3)鉄筋コンクリート造3階建て病院 解体工事の見積書

項目 数量 単位 単価(円) 金額(円)
【1】 仮設工事
 外部養生足場設置費(防音シート) 935.4 m2 2,800 2,619,120
 朝顔設置費 58.0 6,000 348,000
 仮設足場材運搬費 1.0 250,000
 仮設水道費(使用費、散水機損料費共) 1.0 200,000
 重機回送費 1.0 1,300,000
【2】 解体撤去工事
1  既存病棟(RC造3階建て+塔屋)
  内装解体費 1,384.25 m2 2,000 2,768,500
  上屋解体費 1,384.25 m2 7,300 10,105,025
  基礎解体費 354.25 m2 4,500 1,594,125
2  その他、解体撤去費
  高架水槽撤去費 1.0 50,000
  キュービクル撤去費 1.0 50,000
  クリーングタワー 1.0 50,000
  エアコン撤去費(フロンガス破壊・回収費共) 1,384.0 m2 200 276,800
  樹木撤去費 1.0 300,000
  アスファルト舗装撤去費 520.0 m2 400 208,000
【3】 アスベスト除去工事
 外壁除去工事 1,030.0 m2 17,000 17,510,000
 配管エルボ撤去工事 1.0 300,000
 吹付材(ベージュ) 23.0 m2 16,000 368,000
 報告書作成費 1.0 300,000
【4】 スクラップ控除額 ▲ 4,000,000
直接工事費 計 34,597,570
【5】 諸経費 1.0 3,400,000
工事費 計 37,997,570
値引き ▲ 497,570
合計(税抜) 37,500,000

※上記の見積もり例はあくまで一例です。同じ大きさの建物の解体でも、様々な条件によって金額は異なります。

例4)木造2階建て住宅 内装改修工事の見積書

項目 数量 単位 単価(円) 金額(円)
【1】 解体撤去費
 1・2階 内部造作物解体費 113.0 m2 6,800 768,400
 上記、電気類撤去費 1.0 50,000
 玄関タイル撤去費 1.0 60,000
【2】 諸経費 100,000
小 計 978,400
値引き ▲ 8,400
合計(税抜) 970,000

※上記の見積もり例はあくまで一例です。同じ大きさの建物の解体でも、様々な条件によって金額は異なります。

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